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被爆樹木の伝言 市民ら心に刻む 8ヵ所で見学 「力もらえた」

 原爆の被害を受け、今も生き続ける樹木を巡るイベント「被爆樹めぐり」が11日、広島市内であった。市民たち約30人が「もの言わぬ証人」として被爆の実態を伝える樹木を見て回り、平和や復興に思いをはせた。

 参加者は約3キロを歩き、東区と中区の寺社や公園計8カ所を巡った。鶴羽根神社(東区)では、案内役の樹木医堀口力さん(78)=西区=から「爆心地の方向の幹に約10年前まで傷が残っていた」と解説を受けながらクロマツなど3本を見学。原爆で黒焦げになったソテツなどがある明星院(同)なども訪れた。

 被爆樹木は爆心地の半径2キロ圏内に160本残っている。イベントは中国四国博報堂(中区)と中国新聞社の共同企画「緑の伝言プロジェクト」の一環。夫婦で初めて参加した主婦名川寿江さん(64)=中区=は「原爆に耐えた樹木がたくさん残っていることに驚いた。元気に生えている姿に力をもらえた」と話した。 (根石大輔)

(2023年11月12日朝刊掲載)

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