サミット中の締結打診 広島・平和公園と米パールハーバー姉妹協定 開幕1ヵ月前 米側「政府の意向」
23年11月11日
広島市の平和記念公園と米ハワイ州のパールハーバー国立記念公園の姉妹公園協定を巡り、米側が5月19~21日の先進7カ国首脳会議(G7サミット)会期中の締結を市に打診していたことが10日、中国新聞の情報公開請求で分かった。米側は姉妹公園化を「米国政府の意向」と伝えていた。(宮野史康)
市の開示文書によると、在大阪・神戸米国総領事館の職員が4月6日、市に米国政府の意向として協定締結を提案し「理想としては、G7(サミット)で署名できること。署名するのが首脳レベルかどうかまでは言えない」と連絡した。
これを受け、市幹部と総領事たちがサミット開幕前日の5月18日まで計4回、市役所内で協議を重ねた。4月14日の初回協議では、市側が協定締結の発案者を質問。米側は「背景ははっきりとは分からないが、オバマ元大統領の訪問後に始まったが具体化されなかった」「今回は(バイデン)大統領が来るので良い機会」と説明した。
さらに米側は「残り1カ月だ。市長に迅速に話を上げ、進捗(しんちょく)状況を教えていただきたい」と求めた。「次に米国大統領が広島を訪問する機会はいつになるかわからない」としてサミットを「またとない好機」と伝えていた。
これに対し、市側は「パールハーバーや広島市民が納得できるものであること」など協定の中身に触れた上で「この数週間で行う技術的な困難度をどうクリアしていくかだ」と応じた。
5月11日の2回目の協議では、米側はサミット会期中の協定締結の狙いについて「和解や未来志向を世界に発信すること」「世の中に与えるインパクトは大きい」との見解を示した。調印場所に原爆資料館(中区)内を挙げ「セキュリティーが確保されており、メディアも集まりやすい」としていた。
市が最終的に態度表明したのは、開幕前日の同18日の4回目の協議。松井一実市長の考えとして「サミット期間中での協定締結は見送ることとし、引き続き調整する」と伝えた。
中国新聞は、総領事館に協議の経緯などを尋ねたが、今月10日までに回答はなかった。市国際化推進課は取材に「市内部で協議し、時間的に準備が間に合わないと判断した」とした。
姉妹公園協定はサミット閉幕後の6月29日、東京の米国大使館で松井市長とエマニュエル駐日大使が調印している。
(2023年11月11日朝刊掲載)
市の開示文書によると、在大阪・神戸米国総領事館の職員が4月6日、市に米国政府の意向として協定締結を提案し「理想としては、G7(サミット)で署名できること。署名するのが首脳レベルかどうかまでは言えない」と連絡した。
これを受け、市幹部と総領事たちがサミット開幕前日の5月18日まで計4回、市役所内で協議を重ねた。4月14日の初回協議では、市側が協定締結の発案者を質問。米側は「背景ははっきりとは分からないが、オバマ元大統領の訪問後に始まったが具体化されなかった」「今回は(バイデン)大統領が来るので良い機会」と説明した。
さらに米側は「残り1カ月だ。市長に迅速に話を上げ、進捗(しんちょく)状況を教えていただきたい」と求めた。「次に米国大統領が広島を訪問する機会はいつになるかわからない」としてサミットを「またとない好機」と伝えていた。
これに対し、市側は「パールハーバーや広島市民が納得できるものであること」など協定の中身に触れた上で「この数週間で行う技術的な困難度をどうクリアしていくかだ」と応じた。
5月11日の2回目の協議では、米側はサミット会期中の協定締結の狙いについて「和解や未来志向を世界に発信すること」「世の中に与えるインパクトは大きい」との見解を示した。調印場所に原爆資料館(中区)内を挙げ「セキュリティーが確保されており、メディアも集まりやすい」としていた。
市が最終的に態度表明したのは、開幕前日の同18日の4回目の協議。松井一実市長の考えとして「サミット期間中での協定締結は見送ることとし、引き続き調整する」と伝えた。
中国新聞は、総領事館に協議の経緯などを尋ねたが、今月10日までに回答はなかった。市国際化推進課は取材に「市内部で協議し、時間的に準備が間に合わないと判断した」とした。
姉妹公園協定はサミット閉幕後の6月29日、東京の米国大使館で松井市長とエマニュエル駐日大使が調印している。
(2023年11月11日朝刊掲載)