危機下の女性守りたい ヨルダン川西岸も苦難 広島の団体 現地の小物販売 収益送金へ
23年11月16日
広島市の市民団体「サラーム」が、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区に暮らす女性たちの支援を呼びかけている。イスラエル軍がガザ地区への攻勢を強める中、西岸地区の女性たちも生活を脅かされ、自立が困難になっているという。19日に中区の広島国際会議場一帯である「国際フェスタ」で、現地女性たちが手作りしたバッグなどを販売し、収益を支援に充てる。(新山京子)
鮮やかなパレスチナ刺しゅうが施された布製のバッグやポーチ、パスケース…。中区の一室で、サラームのメンバー水本敏子さん(64)=中区=と唐立裕子さん(73)=南区=が商品を確認する。イスラエル軍とイスラム組織ハマスとの衝突前に、広島に届けられていた品々だ。フェスタでは700~8千円で、約150点を販売する。
サラームは2000年に結成された。1995~2020年にパレスチナに移住し、現地の女性たちに縫製や買い付けなどを指導していた水本さんと、広島在住の15人が連携し、自立支援を続けてきた。
現地では女性50人が縫製技術を得て、伝統的な刺しゅうをあしらったバッグなどを商品化。サラームが日本国内のバザーやイベントで販売して収益を送金してきた。
女性たちはイスラエル軍に事務所を破壊される苦難も乗り越え、組合を結成するなどして商品製造を軌道に乗せてきた。しかしイスラエル軍とイスラム組織ハマスが衝突した10月以降、ヨルダン川西岸地区でもイスラエル軍が監視を強化。女性たちは移動を制限され、国際郵便で商品を広島へ送ることができない状態だという。
「長い年月をかけて女性たちは自立へ向け努力を重ねてきたのに、理不尽な争いで、命と暮らしが脅かされている」と水本さん。「彼女たちの不安を少しでも取り除きたい」とフェスタへの来場を呼びかける。販売は、午前10時から午後4時まで。
(2023年11月16日朝刊掲載)
鮮やかなパレスチナ刺しゅうが施された布製のバッグやポーチ、パスケース…。中区の一室で、サラームのメンバー水本敏子さん(64)=中区=と唐立裕子さん(73)=南区=が商品を確認する。イスラエル軍とイスラム組織ハマスとの衝突前に、広島に届けられていた品々だ。フェスタでは700~8千円で、約150点を販売する。
サラームは2000年に結成された。1995~2020年にパレスチナに移住し、現地の女性たちに縫製や買い付けなどを指導していた水本さんと、広島在住の15人が連携し、自立支援を続けてきた。
現地では女性50人が縫製技術を得て、伝統的な刺しゅうをあしらったバッグなどを商品化。サラームが日本国内のバザーやイベントで販売して収益を送金してきた。
女性たちはイスラエル軍に事務所を破壊される苦難も乗り越え、組合を結成するなどして商品製造を軌道に乗せてきた。しかしイスラエル軍とイスラム組織ハマスが衝突した10月以降、ヨルダン川西岸地区でもイスラエル軍が監視を強化。女性たちは移動を制限され、国際郵便で商品を広島へ送ることができない状態だという。
「長い年月をかけて女性たちは自立へ向け努力を重ねてきたのに、理不尽な争いで、命と暮らしが脅かされている」と水本さん。「彼女たちの不安を少しでも取り除きたい」とフェスタへの来場を呼びかける。販売は、午前10時から午後4時まで。
(2023年11月16日朝刊掲載)