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原民喜 反戦の思い継承 中区で生誕祭 手帳や詩朗読

 広島市出身の被爆作家、原民喜(1905~51年)を顕彰する市民の会「広島花幻忌(かげんき)の会」は19日、中区の中央公民館で民喜の「生誕祭」を開いた。34人が集い、被爆直後の惨状を記した手帳や詩の朗読を通じ、反戦の訴えを継承する思いを新たにした。

 参加者は黙とうし、民喜の遺影に献花。手帳の一節や詩「永遠(とわ)のみどり」を読み上げた。市民団体「広島文学資料保全の会」の河口悠介さん(27)は、被爆作家の大田洋子(03~63年)と民喜について「面識はないが、互いに意識していた」と解説した。

 詩を朗読した進徳女子高2年の井口桃禾(ももか)さん(17)は「原爆の苦しみを忘れずに受け継ぐ思いを込めた」と話した。保全の会と市は、民喜の手帳を含む資料について国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)登録に向け、申請している。(宮野史康)

(2023年11月20日朝刊掲載)

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