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オンラインで被爆者と語ろう 広島市立大の佐藤さん 平和考える集い企画 26日から月1回 若い世代の参加募る

 広島市立大国際学部4年の佐藤優さん(22)=安佐南区=が、被爆者から体験を聞き、平和について意見を交わす集いをオンラインで始める。「被爆者との対話を通じて、核兵器がもたらす被害について学ぼう」と月1回ペースで計画。若い世代の参加を募っている。(新山京子)

 初回は26日午後2時から。佐藤さんが聞き手を務め、1歳の時に爆心地から約2キロで被爆した松本暁子さん(80)=中区=に体験を語ってもらう。松本さんの話を聞いた参加者はオンライン上でグループに分かれ、意見交換。核兵器のない世界を実現するため、何ができるかを語り合う。

 仙台市出身の佐藤さんは、大学進学を機に初めて原爆資料館(中区)を見学し、核兵器被害の深刻さに触れた。「体験者から直接話を聞かなくては」と思うようになり、知人に紹介してもらって被爆者を訪ね歩いた。「あの日の体験を聞くだけでなく、人と人として付き合い、幅広い話題を共有するうち平和に対する自分の考えを深めることができた」と話す。

 2021年には大学の仲間と平和活動グループを結成。市内最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」を題材にした紙芝居を制作し、朗読会も続けてきた。

 今回の集いは「被爆者の話を聞いたことがない」という同世代の声を受け、遠方の人も気軽に参加できるようオンラインで企画。若者に関心を持ってほしいとの思いから対象を35歳未満にした。

 佐藤さんは「自分が経験していない原爆を、完全に理解することは難しいけれど、学び続ける姿勢を大切にしたい」と力を込める。申し込みは専用フォームから。

(2023年11月23日朝刊掲載)

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