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日韓関係の展望探る 広島でフォーラム

 昨今の世界情勢を踏まえ東アジアの平和を考える講演会「広島韓国FORUM」が広島市中区のホテルであった。ウクライナや中東で戦争が続き国際秩序が揺らぐ中、日韓関係の展望を探ろうと、駐広島韓国総領事館と広島市立大広島平和研究所(平和研)が主催。約80人が耳を傾けた。

 早稲田大大学院アジア太平洋研究科の李鍾元(リー・ジョンウォン)教授が基調講演した。国際社会で米国の影響力が低下している実情や、「新冷戦」といわれながら戦争が相次いで現実の「熱戦」となっている背景を解説。また戦術核を誇示するなど北朝鮮の核開発が新局面を迎えている点も指摘した。

 北朝鮮が打ち上げた軍事偵察衛星については「探知能力が低ければ誤認による暴発が起こり得る。探知能力が上がれば攻撃力も高まるが、逆説的に衝突の可能性は低くなる」との見方を示し、衝突を回避するため対話の重要性を強調した。

 韓国の国家安保戦略研究院のキム・スクヒョン責任研究委員は、日韓関係が改善した今年の両国民の意識変化を世論調査の結果から紹介。平和研の孫賢鎮(ソン・ヒョンジン)准教授は北朝鮮の非核化や変遷する南北関係など朝鮮半島の課題を提示した。

 韓国外国語大のイ・チャンミン教授は日韓の経済協力、平和研の沖村理史教授はエネルギー安全保障について解説した。(森田裕美)

(2023年11月27日朝刊掲載)

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