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海外ガイド 被爆の実態学ぶ 国連施設の6人、資料館を見学

 国連施設のツアーガイドを対象にした研修が広島市内で開かれている。広島平和文化センター(中区)の主催で、原爆資料を常設展示する米ニューヨーク、スイス・ジュネーブ、オーストリア・ウィーンの3施設から計6人が参加。被爆地の「あの日」の記憶の理解を深め、活動に生かす。

 初日の27日に、参加者たちは原爆資料館(中区)を訪問。約1時間半かけて巡り、ケロイドの痕が残る被爆者の写真や、焼け焦げた衣服などの遺品に見入っていた。被爆者の八幡照子さん(86)から証言も聞いた。

 ニューヨークの国連本部でガイドを務めるハシーム・アブドラーさん(31)は「本当に痛々しかった。人々の苦しみにもっと焦点を当てて案内したい」と涙を浮かべた。

 研修は12月1日までで、放射線被害の影響や長崎の被爆実態なども学ぶ。各国連施設は1983年から順次、広島と長崎の原爆資料館から提供を受け、被爆資料や写真パネルを常設展示している。(頼金育美)

(2023年11月29日朝刊掲載)

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