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[核兵器禁止条約 第2回締約国会議] 「原爆 狂気の兵器」 日本被団協事務局長 廃絶求め演説

 米ニューヨークの国連本部で開幕した核兵器禁止条約の第2回締約国会議で27日、日本被団協の木戸季市事務局長(83)が演説した。「原爆は人間の絶滅だけを目的にした狂気の兵器だ」と警告し、速やかな廃絶を求めた。米国の「核の傘」に依存する国のうち日本はオブザーバー参加を見送った一方、ベルギーなどが参加した。(ニューヨーク発 宮野史康)

 木戸事務局長は、核戦争を懸念する被爆者の思いを代弁。ウクライナやパレスチナ自治区ガザの現状を広島、長崎の惨禍に重ねつつ「原爆は人間として死ぬことも人間らしく生きることも許さない」と証言し、会場の政府代表たちから大きな拍手を浴びた。核兵器の非人道性に関するパネル討議にも参加した。

 これに先立ち、デラフエンテ議長(メキシコ)は冒頭、「禁止条約は良識を持って共生するという道義的な力に基づいており、多国間の軍縮の象徴だ」とあいさつ。国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長は「核軍縮を直ちに前進させるのは、人間と国家、そして集団の安全保障の責務だ」と強調した。

 会議には速報値で37カ国の締約国が出席し、17カ国がオブザーバー参加した。核兵器保有国は不参加。非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))によると、核の傘の下にある国では前回に続いてオーストラリア、ドイツ、ノルウェー、ベルギーが出席した。

(2023年11月29日朝刊掲載)

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