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中西さんに建物活用誓う 中区でしのぶ会 旧陸軍被服支廠の保存運動に尽力

 広島市南区の被爆建物、旧陸軍被服支廠(ししょう)の保存運動に力を尽くした被爆者の中西巌さんをしのぶ会が3日、中区の原爆資料館であった。8月に93歳で亡くなった中西さんと親交のあった約70人が参列し、被爆の記憶を今に伝える建物の活用を誓った。

 参列者は祭壇に花を手向けた後、中西さんの歩みを映像で振り返った。市民団体「旧被服支廠の保全を願う懇談会」の共同代表を中西さんとともに務めてきた被爆者の切明千枝子さん(94)=安佐南区=たちが、思い出を語った。切明さんは「被服支廠は『戦争と平和の大きな大きな証人』と言っていたのが耳に残る」と述べ、思いを継いでほしいと呼びかけた。

 中西さんは15歳の時、被服支廠で被爆。2014年に同会を結成し、署名活動などに取り組んだ。国の文化審議会は先月、全4棟を国の重要文化財に指定するよう答申し、来年1~2月に指定される見通しになった。(下高充生)

(2023年12月4日朝刊掲載)

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