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[核兵器禁止条約 第2回締約国会議] 抑止論の否定・脱却 維持 政治宣言最終案

非保有国への配備反対

 米ニューヨークの国連本部で開かれている核兵器禁止条約の第2回締約国会議は11月30日、政治宣言の最終案を示した。核兵器保有国や依存国が主張する核抑止論を強く否定し、脱却を迫る内容を維持している。(ニューヨーク発 宮野史康)

 最終案は、核抑止論への固執は「不拡散と矛盾するだけでなく、核軍縮の進展を阻害している」と強調。核兵器の存在と軍縮の停滞が「全ての国の安全を脅かし、人類の存亡に関わる脅威になっている」と断じた。また各国の立場の違いを踏まえ、「核共有」の文言を「非保有国の領域へのあらゆる核配備」と言い換え、全ての国にやめるよう求めた。

 この日は、核被害者の援助と被害地域の環境回復に関する討議もした。オーストリアは影響を受けた地域への施策を検討していると表明。フィジーは、支援のための国際的な信託基金について「条約への参加を避ける手段に利用されてはいけない」とくぎを刺した。

 また、広島市安佐南区出身の早稲田大3年高垣慶太さん(21)が赤十字国際委員会(ICRC)の若者代表として発言した。核保有国により太平洋で繰り返された核実験に関し、「実験場の周辺だけでなく、広範に人々と生態系の放射線被曝(ひばく)を調査する必要がある」と訴えた。

(2023年12月3日朝刊掲載)

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