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[核兵器禁止条約 第2回締約国会議] 「世界の被害者と連帯し運動」 広島県被団協・佐久間理事長 NYで「黒い雨」証言

 核兵器禁止条約の締約国会議に合わせて米ニューヨークを訪れている広島県被団協の佐久間邦彦理事長(79)が11月30日、日本総領事館前での集会で、原爆投下後に降った放射性物質を含む「黒い雨」について証言した。核被害者の援助を定めた条約に触れ「世界の被害者と連帯して運動を進めたい」と訴えた。(ニューヨーク発 宮野史康)

 佐久間さんは生後9カ月の頃、母親の背中で黒い雨を浴びた。10年ほど後、肝臓や腎臓を患ったという。「ずいぶん苦しみ、死ぬのかと思ったのを今でも忘れられない」と振り返った。裁判で黒い雨被害者の救済を勝ち取ってきた国内の活動を伝え「このような闘いの積み重ねが、核兵器廃絶への一歩となる」と声を張り上げた。

 集会は現地の反核団体と日本原水協が主催。約80人が集い、締約国会議へのオブザーバー参加を見送った日本政府に抗議の声を上げた。

(2023年12月3日朝刊掲載)

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