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「核なき世界」どう主導 長崎で8・9日 第3回国際賢人会議 首相 問われる姿勢

 政府は4日、長崎市で8、9日に開く「国際賢人会議」の概要を公表した。核兵器廃絶に向けた道筋を保有国と非保有国の有識者が話し合う場で、創設者の岸田文雄首相も9日に出席する方向だ。米国の核抑止力に頼る中で、核兵器の削減に向けた議論をどう主導するかが問われる。

 開催は昨年12月の広島市、ことし4月の東京に続いて3回目。日本は、今月1日に米国で第2回締約国会議が終わった核兵器禁止条約には、核保有国の不参加を理由に加わっていない。保有国も参加する国際賢人会議を「核なき世界」への「現実的なアプローチ」を探る場と位置付けている。

 委員の有識者は米中ロのほか、核兵器禁止条約に賛同するニュージーランドなどから15人がオンラインも含めて参加。これとは別に政治指導者6人が関わり、2016年に当時の岸田外相と平和記念公園(広島市中区)を訪れたジョン・ケリー米元国務長官はビデオメッセージを寄せる。

 議論に先立ち委員は、初日の8日午前に平和公園での献花や長崎原爆資料館の視察をし、被爆者からも証言を聞く。討議は午後に始め、9日まで4回にわたって核を巡る国際情勢を踏まえた安全保障などを話し合う。26年にある次回の核拡散防止条約(NPT)再検討会議までに提言をまとめる予定で、今回の被爆地長崎での開催を弾みにしたい考えだ。(樋口浩二)

(2023年12月5日朝刊掲載)

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