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女性の戦争証言集に英訳版 市民団体、広島で発表会

 市民団体「広島県の男女共同参画をすすめる会」が県内の女性42人が戦争体験をつづった証言集の英訳版を完成させ、広島市中区で発表会を開いた。

 英訳版は同会が2016年に発行した冊子「被爆70年、戦後70年記念誌―昭和20年(1945年)の私」を基にした。県内の大学生やボランティアの協力を得て翻訳作業を進め、新型コロナウイルス禍の中断を経て7年がかりで仕上げた。

 河田和子さん(92)=南区=は13歳の時、学徒動員先の工場があった高須(現西区)で被爆した体験記を寄せ、原爆の惨劇を風化させない大切さを訴えた。発表会で河田さんたち協力者に英訳版を手渡した同会の吉村幸子会長(76)は「小さな幸せがどれほど大切か感じてほしい。いろんな人に広めたい」と強調した。

 A4判144ページ。県内の図書館や外国人が集まる場所に寄贈するほか、インターネットでの全文公開もしている。(太田香)

(2023年12月6日朝刊掲載)

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