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原爆資料館 ネット予約 広島市 入館待ち解消へ検討

 原爆資料館(広島市中区)の慢性的な入館待ちの解消へ、市が一部の時間帯のチケットをオンラインで予約販売する方向で検討していることが6日、分かった。2023年度内の試行を想定。8月に限り、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館へ被爆資料を分散展示する調整も進めている。

 複数の関係者によると、試行的に原爆資料館の開館時間を延長した上で、午前と午後にオンライン予約できる時間帯を設ける見込み。窓口でのチケット購入時間の短縮や混雑解消に加え、入館者が市内に宿泊するなど、滞在時間の増加につなげる観点からも具体策を詰めている。

 また、国内外からの入館者が増える8月には、同じ平和記念公園内にある祈念館に、資料館の被爆資料や被爆の実態を紹介する写真パネルなどを展示する案が浮上。入館者の分散を図る狙いで、国側と協議しているという。

 資料館は現在、見学の事前予約を受け付けておらず、チケットは窓口で対面販売している。新型コロナウイルスの流行に伴う国の水際対策や行動制限が解け、5月に市であった先進7カ国首脳会議(G7サミット)を通じて被爆地への関心が高まる中、入館者数が増加。観光客たちの行列が屋外まで延び、待ち時間の長さに苦情が出ていた。(野平慧一)

(2023年12月7日朝刊掲載)

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