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核廃絶へ国際協力を 中区 カザフ公使参事官が講演

 旧ソ連が核実験を繰り返したカザフスタンで医療支援などを続ける市民団体「ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト」の集いが9日、広島市中区の原爆資料館メモリアルホールであった。在日カザフスタン大使館のクルマンセイト・バトルハン公使参事官が講演し、核兵器廃絶には国際社会の協力が不可欠だと訴えた。

 同国の旧セミパラチンスクの核実験場では1949~89年に450回以上の核実験が実施された。クルマンセイト氏は旧ソ連からの独立後、欧米諸国の協力で国内に残っていた核兵器をロシアに移した経緯を紹介。「40年間造ってきた核兵器を2、3年で国内から撤去した。カザフスタン単独では実現できなかった」と述べた。

 その上で、2025年にある核兵器禁止条約の第3回締約国会議の議長国として、日本に対し「オブザーバーとして参加してもらえるよう頑張りたい」と話した。

 集いには、市民約40人が参加した。広島市安佐南区出身の早稲田大3年高垣慶太さん(21)は、カザフスタンを訪れた経験から、米ニューヨークの国連本部で開かれた核兵器禁止条約の第2回締約国会議で発言したことを報告。「核兵器がどれだけ悲惨なものか、国際社会に意識を高めてもらう必要がある」と話した。(太田香)

(2023年12月10日朝刊掲載)

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