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原爆資料館 入館ネットで 混雑対策 チケット販売2月にも 15言語対応 朝夕に予約枠も

 原爆資料館(広島市中区)の慢性的な入館待ちの解消に向け、市は8日、オンラインでのチケット販売を2024年2月中旬にも始める方針を明らかにした。15言語対応のシステムを導入し、3月以降の入館分から対象にする。従来は窓口でのみ対面販売してきたが、市民や国内外からの入館者の利便性を高める。(野平慧一)

 市によると、事前にスマートフォンなどで電子決済し、資料館側から届くQRコードを館内の読み取り機にかざして入館する仕組みを検討している。日本語に加え、英語や中国語、韓国語などで表示できる。

 併せて、現在は通常午前8時半の開館を1時間早めて、午後6時の閉館も1時間延ばし、この朝夕各1時間をオンラインの予約枠に充てる。24年度内に館内へ自動券売機を置く検討を進めるほか、入館者が増える8月に限って、同じ平和記念公園内の国立広島原爆死没者追悼平和祈念館に一部の被爆資料などを展示する案も国と協議する。

 この日の市議会一般質問では、市民局の村上慎一郎局長が概要を説明し、「被爆の実態を伝える資料館の混雑対策に全力で取り組みたい」と述べた。

 また一般質問では、広島県所有の3棟のうち1棟を市に無償譲渡する案がある被爆建物の「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(南区)を巡り、松井一実市長が「市も費用負担の在り方について踏み込んで検討したい」と答えた。

(2023年12月9日朝刊掲載)

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