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被爆者に思い込め お年寄りが千羽鶴 来月広島に届ける 邑南

■記者 馬場洋太

 邑南町岩屋地区のお年寄りが16日、原爆の犠牲者への思いを込めた千羽鶴を折り上げた。徒歩で70キロ離れた平和記念公園(広島市中区)を目指す学習ツアー「歩こう広島まで」(8月4、5日)に参加する中学生らに託す。

 高齢者が集会所に集まり、認知症予防も兼ねて体操やぞうきん作りなどに励むミニデイサービスの一環。広島県境の同町には原爆で親族を亡くした人が多いこともあり、主催する岩屋老優会が昨年から千羽鶴作りを7月のメニューにした。

 参加した10人は、幼少時の折り紙遊びの経験から手慣れた手つきで黙々と鶴を作り、この日で千羽を超えた。被爆者の親類女性を昨年末に亡くした農業大田スエコさん(82)は「病気がちだが優しかった彼女のことを思い出しながら折りました」と話していた。

 老優会の佐貫嘉昭会長(78)は「高齢化し今年は千羽は無理かと思ったが、みんなの協力で達成できた」とほっとした様子だった。

(2009年7月17日朝刊掲載)

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