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原爆のむごさ学生らに語る 広島大で新井さん

 広島高等師範学校(現広島大)付属中の1年生時に入市被爆した新井俊一郎さん(92)=広島市南区=が11日、東広島市の広島大東広島キャンパスで学生たち約70人に体験を語った。同大の歴史を振り返る授業の一環。

 当時、同付属中は広島市東千田町(現中区)にあった。1945年8月6日朝、新井さんは勤労奉仕で合宿生活をしていた原村(現東広島市八本松町)から一時帰宅が認められ、同級生4人と列車で広島市内へ向かった。八本松駅のホームで突然空が光り、強い衝撃を受けて倒れ込んだ。

 瀬野駅で列車を降ろされ広島へ歩いた。道中、やけどで皮膚が垂れ下がった手を突き出して歩く何百人の列と擦れ違ったという。「これが原爆。今も世界中に核兵器がある」と語った。理学部1年佐々田克成さん(19)は「原爆のむごさを感じた。平和のために僕たちが努力したい」と話した。

(2023年12月12日朝刊掲載)

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