ニュース

　広島市中区出身で被爆の惨禍を描いた映画「ひろしま」で教師役を演じた俳優月丘夢路さん（２０１７年に９５歳で死去）の記念碑が１６日、中区小町に建った。「何があっても戦争は罪悪」と平和を望んだ思いを発信し、祈りの場としてもらう。

　碑は縦２．５メートル、横２．５メートルで、「月」を模したステンレス製の円環が、御影石の「丘」に建つデザイン。井上・月丘映画財団（東京）が、２１年の生誕１００年を機に、建築家の故丹下健三氏の息子憲孝さん（６５）に設計を依頼した。

　この日の除幕式には約３５人が参加した。長女で財団の井上絵美代表理事（６４）は「たくさんの人がここで祈り、戦争や争いのない世界になるよう願う」とあいさつした。

　財団は中区のそごう広島店で「月丘夢路展」を開催中。１月８日まで。当時の雑誌や写真約１００点を展示する。無料。（宮野史康）

（２０２３年１２月１７日朝刊掲載）