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被爆樹木の枝で平和紡ぐ商品を 広島市 原爆投下80年に向け企画 25年度に団体・企業公募

 2025年の被爆80年記念事業の一環で、広島市は被爆樹木から切り取った枝の活用を始める。企業・団体を募り、無償で提供。平和への思いを紡ぐ新たなグッズに加工して、売り出してもらう。(野平慧一)

 市によると、市内では160本が被爆樹木として登録されている。うち市が所有する82本について、従来は剪定(せんてい)後に処分していた枝を11月から収集、保管している。現時点で長さ1メートル、直径3センチ以上の物が80本ある。今後も、樹木医が樹勢回復のために剪定するたびに蓄える。被爆樹木を計19本持つ国と県にも協力を呼びかける。

 その上で、活用を希望する団体・企業の公募を25年度に始める。商品化の具体策を含め、提案してもらう想定。市は採用した際に枝を無償提供する代わりに、商品の売り上げの一部の寄付を受け、収集、保管の費用に充てる仕組みを検討している。

 被爆樹木のうち残る59本は民間が所有。一部は文房具やアクセサリーに加工、販売されているという。市民局の村上慎一郎局長は「商品化は被爆樹木をさらに周知し、平和文化を市民社会に根付かせるために有意義だ。記念事業の一つと位置付け、本格的に実施したい」と説明している。

(2023年12月16日朝刊掲載)

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