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原爆劇 中国大会で上演へ 広島市立商業高演劇部 路面電車運転の女学生題材

 広島市立広島商業高(東区)の演劇部が23日、米子市である高校演劇の中国大会に県代表として出場する。上演するのは、広島電鉄の実話に基づく創作劇で、戦地に赴いた職員に代わって路面電車の運転士を務めた女学生の物語。廃虚と化した街を勇気づけた同年代の少女たちの奮闘ぶりを伝えようと、練習に励んでいる。

 タイトルは「風の電車」。被爆前後の広島市内で路面電車の運行を担った広電家政女学校が舞台。原爆で家族を失った主人公が、「電車は生きとる広島の証しなんじゃ」という教官の言葉に背中を押されて被爆3日後に1番電車を走らせ、「復興の風」を運ぶまでを描く。

 県内13校が競った11月の県大会にも同じ演目で臨み、金賞と中国大会への切符を獲得した。さらに表現力を深めようと、今月6日には部員たちが中区の広電本社を訪問。当時の女学校の歴史を学んだり、被爆電車に乗ったりして演技のイメージを膨らませた。

 舞台には総勢19人が立つ。裏方を含む計27人が本番に向けて毎日、校内の講堂で練習を重ねる。主人公を演じる2年中島美柚さん(16)は「自分たちと同じ年代の子たちが、苦しい状況でも頑張って生きたことを伝えたい」と力を込める。

 脚本を執筆した顧問の黒瀬貴之教諭(59)は「演技を通じ、先人たちのおかげで今の私たちの生活があるんだと生徒に感じてほしい」と期待する。(頼金育美)

(2023年12月20日朝刊掲載)

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