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ユース非核リーダー始動 若者の被爆地訪問促す 国連が研修開始

 岸田文雄首相が世界の若者に被爆地広島、長崎訪問を促す目的で国連に10億円余りを投じて昨年創設した「ユース非核リーダー基金」の研修プログラムが動き出した。国連が18日夜、オンライン方式で開始式を開いた。首相は「核兵器のない世界」に向けて「未来を担う皆さんの若い力が必要だ」と呼びかけた。

 外務省によると、1期生は核兵器保有国、非保有国双方の計63カ国から集まった18~29歳の100人。各国の政府や国際機関の職員、学生たちで、2千人を超える応募から国連事務局が選んだという。研修は、国連が2024年度末まで随時実施。来夏をめどに広島、長崎を訪れてもらう。

 開始式には1期生が参加した。首相はビデオメッセージを寄せ「核なき世界」への道のりが「いかに厳しくとも、歩みを止めるわけにはいかない」と強調。「被爆の実相を自身の目と心で見て感じ、世界にしっかりと伝えてほしい」と求めた。

 基金は昨年8月の米ニューヨークでの核拡散防止条約(NPT)再検討会議で首相が創設を表明した。日本政府が国連に約10億8千万円を拠出。研修は第2期以降も計画し、被爆85年の30年まで続く予定だ。(樋口浩二)

(2023年12月20日朝刊掲載)

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