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平和と友好の千羽鶴 イエメンから祈り届く

■記者 川上裕

 中東のイエメンから被爆地広島市に千羽鶴が届いた。首都サヌアで日本語を学ぶイエメン人が平和への願いを込めて折った1053羽の折り鶴。16日、市職員が平和記念公園(中区)の原爆の子の像にささげた。

 現地のイエメン日本友好協会主催の日本語教室に通う約50人。手書きの日本語で「平和の鳥たちがイエメンから日本へはばたく」とメッセージも記した。

 青年海外協力隊員として2008年1月からイエメンに滞在し、教室で指導している三谷千花さん(41)=愛知県出身=によると、前任の協力隊員が呼び掛けたという。06年、08年に続き3回目。

 三谷さんはテロや誘拐が発生したため6月中旬までの約1カ月間、一時帰国した。生徒たちはその間も教え合って折り続け、三谷さんがイエメンに戻った時には約700羽が完成していた。

 三谷さんは「テロの不安を抱えながら、自発的に鶴を折ったイエメンの人たちの気持ちが被爆地に伝われば」と願っていた。

(2009年7月17日朝刊掲載)

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