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被服支廠 耐震経費計上 政府 壁補修など安全対策急ぐ

 政府は2024年度予算案に、広島市南区にある最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」全4棟のうち国所有の1棟の耐震化工事費を初めて盛り込んだ。

 広島県所有の1~3号棟とともに来年2月にも国重要文化財(重文)に指定される見込みで、築110年と老朽化した建物の安全対策を急ぐ。れんが壁の補修や鉄骨の筋交いの挿入などを想定する。具体的な計上額は「入札に影響する」(中国財務局)として公表していない。

 厚生労働省は、被爆者の援護対策費1149億円を確保。被爆者の減少に伴い、23年度当初より39億円少ない。このうち「黒い雨」の援護対象区域(大雨地域)再検証費を1億7千万円とした。

 日米両政府が共同運営する放射線影響研究所(南区)の広島大霞キャンパス(同)への移転費用は援護対策費と別枠で、保健衛生施設整備のための補助金39億円から支出する。

 外務省は、国内外の核軍縮の有識者が核兵器廃絶への道筋を探る「国際賢人会議」の開催費に6千万円を積んだ。これまで3回開催。24年度は2回開き、25年度をめどに提言をまとめる。(山本庸平、樋口浩二)

(2023年12月23日朝刊掲載)

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