原爆資料館 入館最多へ 23年度 初の180万人超の見通し サミット効果・円安追い風
24年1月1日
原爆資料館(広島市中区)の2023年度の入館者数が、過去最多の19年度を上回り、初めて年間180万人を超える見通しになったことが31日、分かった。市は、5月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)を受け、被爆地への関心が高まったのが最大の要因と分析。24年春からオンラインでの入館チケットの予約・販売を始め、受け入れ態勢を充実する。(野平慧一)
市によると、23年度の入館者数は12月28日時点で160万2146人(速報値)。175万8746人を記録した19年度の同時期に迫っている。
19年度は新型コロナウイルス禍で2月29日以降は臨時休館したため、年明けは1~2月の約2カ月で14万7353人にとどまった。コロナ禍前の18年度の1~3月は25万人が訪れた実績があり、市は23年度、通年で180万人を上回るのを確実視している。
23年度の入館者の内訳をみると、外国人旅行者が大幅に増えた。12月28日時点で53万8669人で、過去最多だった19年度の52万2781人をすでに上回った。市はサミット効果に加え、新型コロナ禍での水際対策の緩和や円安も追い風になったとみている。
入館者数が好調な一方で、慢性的な混雑が課題となっている。サミット後には入館待ちが最大2時間に及び、資料館の外に長い行列ができた。市は24年2月中旬にも3月以降の入館分を対象にオンラインでのチケット予約・販売を始める。3月から開館を1時間早めて、閉館も1時間遅らせ、予約枠に充てる予定だ。自動券売機の設置も検討している。
市平和推進課は「ロシアのウクライナ侵攻やイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの侵攻で、平和に関心を持つ人が増えたのではないか。被爆の実態を多くの人に知ってもらうため、混雑対策への対応を進めたい」としている。
(2024年1月1日朝刊掲載)
市によると、23年度の入館者数は12月28日時点で160万2146人(速報値)。175万8746人を記録した19年度の同時期に迫っている。
19年度は新型コロナウイルス禍で2月29日以降は臨時休館したため、年明けは1~2月の約2カ月で14万7353人にとどまった。コロナ禍前の18年度の1~3月は25万人が訪れた実績があり、市は23年度、通年で180万人を上回るのを確実視している。
23年度の入館者の内訳をみると、外国人旅行者が大幅に増えた。12月28日時点で53万8669人で、過去最多だった19年度の52万2781人をすでに上回った。市はサミット効果に加え、新型コロナ禍での水際対策の緩和や円安も追い風になったとみている。
入館者数が好調な一方で、慢性的な混雑が課題となっている。サミット後には入館待ちが最大2時間に及び、資料館の外に長い行列ができた。市は24年2月中旬にも3月以降の入館分を対象にオンラインでのチケット予約・販売を始める。3月から開館を1時間早めて、閉館も1時間遅らせ、予約枠に充てる予定だ。自動券売機の設置も検討している。
市平和推進課は「ロシアのウクライナ侵攻やイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの侵攻で、平和に関心を持つ人が増えたのではないか。被爆の実態を多くの人に知ってもらうため、混雑対策への対応を進めたい」としている。
(2024年1月1日朝刊掲載)