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学び輝け 世界とミライへ 広島大150周年

 広島大は2024年、最も古い前身校の県立白島学校の開校(1874年)から150周年を迎える。戦後の新制大学としての開学(1949年)からも75周年の節目。ビジョンに掲げる「世界で光り輝く大学」の実現に向けた歩みを加速させる。(教蓮孝匡)

世界最先端の研究

平和を希求する精神

地域の課題解決

 近年、世界最先端の理科系の研究が注目を集める。自然界にない新しい人工材料「キラルノット超物質」の研究拠点を23年2月、東広島キャンパス(東広島市)に開設。画期的な省エネや難治性疾患の治療などへの貢献を目指す。半導体分野では、産学官で開発に取り組むナノデバイス研究所に同年3月、新棟が完成。米マイクロン・テクノロジーや日米の大学と連携して人材育成を目指す枠組みにも参画した。

 前身校の生徒や教職員が多数、原爆の犠牲となった。「平和を希求する精神」の理念の下、全学部で平和研究系科目を必修としている。国立大唯一の平和学研究機関の平和センター(広島市中区)では、国内外の学生が紛争解決の道筋などを探る。

 地域課題の解決にも力を注ぐ。東広島、呉市とそれぞれ進めるタウン・アンド・ガウン(TG)では、21年10月に設けた国際交流施設「ミライクリエ」を拠点に産業創出や持続可能なまちづくりに取り組む。23年10月にはTGの全国組織を設立した。

 同大は「栄えある伝統と豊かな未来を実感できる節目の事業を催し、新たな一歩を踏み出す」とする。

戦後からの歴史

 広島大は1949年5月、戦後教育改革による新制大学の一つとして、広島文理科大など県内8校が包括・併合され誕生した。うち、最も歴史が古いのが1874年開校の県立白島学校(統合時は広島師範学校)だった。

 1953年、呉市にあった県立広島医科大が移管され、医学部が誕生。73年、東千田キャンパス(広島市中区)の手狭さの解消などを狙った西条町(現東広島市)への統合移転が正式に決まる。まず82年に工学部が移り、95年までに医学部と歯学部を除く9学部が移転した。2023年4月、法学部が東千田キャンパスへ再移転した。

 現在は12学部4研究科1研究院。学生約1万5千人が学び、教職員約3500人が働く。

(2024年1月5日朝刊掲載)

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