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社説・コラム

朝凪(あさなぎ) 「ゲゲゲの謎」はいいぞ

 気に入った映画は何回も見る癖がある。年末は「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」に3回通って高校生の娘にあきれられた。

 テレビ版「ゲゲゲの鬼太郎」とは異なる大人向けのホラーアニメ映画。戦後10年、帝国血液銀行に勤めるサラリーマンの水木は、謎の薬「M」を追って人里離れた哭倉(なぐら)村へと赴き―。

 境港市出身の漫画家・故水木しげるさんの生誕100周年記念作。自伝漫画「総員玉砕せよ!」も下敷きとする新規の物語にぐいぐいと引き込まれた。何より「目玉おやじ」こと鬼太郎の父親の生きざまに涙した。

 時代を反映しているのか。「窓ぎわのトットちゃん」「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」「ゴジラ―1・0」と、戦中・戦後を描いた映画が複数ヒット中だ。劇場に足を運んでみては。私のお薦めはもちろん…。(文化担当・西村文)

(2024年1月10日朝刊掲載)

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