×

ニュース

核禁条約 日本の署名求める ICAN事務局長、広島で講演

 非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))のメリッサ・パーク事務局長(57)が20日、広島市中区の原爆資料館で講演した。22日に発効3年を迎える核兵器禁止条約について「核兵器のない世界を実現するための入り口でなくてはならない」と強調し、日本政府も条約に加わるべきだと訴えた。

 条約の制定に貢献したICAN。パーク氏は発効からの3年を振り返り、「条約は大きな影響を与えている。核兵器を巡る議論で人道面や環境面の影響に目を向けさせた」と成果を述べた。

 一方で、米国の「核の傘」に依存して禁止条約に背を向ける日本政府について「被爆者の苦しみを考えると、本来ならば最初に条約に署名する国であってほしかった」と指摘。「核の傘と決別し、条約に加わる責務がある」と迫った。

 広島県被団協の箕牧(みまき)智之理事長(81)や平和活動に携わる若者とのパネル討論にも参加。若者からの「日本政府の姿勢を変えるには」との質問に対し、核抑止論の危険性への認識を高める重要性などを指摘した。講演会は、約200人が参加した。(水川恭輔)

(2024年1月21日朝刊掲載)

年別アーカイブ