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「浅野文庫」図書館 24年度に設計着手 広島市長居住先 中心部で検討

 広島市立中央図書館(中区)所蔵の「浅野文庫」や広島ゆかりの文学資料の保存・活用で、市は19日、市長公舎(同)を廃止して跡地に専門図書館を整備する基本計画案を市議会総務委員会で説明した。郷土について学び、調査、研究する施設とし、2024年度に設計に着手する。公舎に代わる市長の居住場所は市中心部で検討する。

 案では、原爆被災を免れた古書、絵図などの浅野文庫や、原民喜、鈴木三重吉たちの文学資料に加え、近世以降を中心に古文書や歴史、文学関係の専門書などを体系的に収集。26~28年度に市長公舎を解体して鉄筋3階建て延べ約2400平方メートルの新施設を建て、29年度に開館する。概算事業費は約37億円。運営は指定管理者に委ねる。

 市は中央図書館をJR広島駅前の商業施設「エールエールA館」(南区)に移転する計画から浅野文庫や文学資料を切り離して保存先を検討する方針を示していた。いずれも浅野家ゆかりの東区の饒津神社の裏地、南区の比治山公園と利便性や回遊性を比べた上で、浅野家別邸の庭園として築かれた縮景園の隣の市長公舎敷地を選んだ。

 市はホームページなどで案を公開し、23日から2月22日まで市民の意見を募った上で正式に基本計画を決める。一方、市長公舎について、中国新聞の取材に建て替えを否定。秘書課は「公舎の解体までに、災害対応などの観点から市中心部で市長の居住場所を検討する」とした。(野平慧一)

(2024年1月20日朝刊掲載)

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