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国重文の被爆建物「旧陸軍被服支廠」 3棟の耐震費29億円 広島県 26年度の完了予定

 国重要文化財の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(広島市南区)を巡り、広島県が全4棟のうち所有する3棟の耐震工事の全体事業費を29億5300万円と見込んでいることが24日、分かった。2024年度に着工し、26年度の完了を予定する。

 関係者によると、県は24年度一般会計当初予算案に耐震工事費として6億8600万円を盛り込む方針。25、26年度分の22億6700万円は、将来の事業費確保を約束する債務負担行為として計上する。

 全体事業費は建築資材の高騰などで想定の1・7倍に膨らんだ。県の概算では、工事請負額が28億1千万円、施工管理の委託費や事務経費が1億4千万円。財源の内訳は文化庁の補助金が14億7千万円、県市で各7億4千万円の支出を見込む。県市は国の交付税で各2億円を賄うため、実質負担は各5億4千万円になるという。

 県は耐震化と併せて活用策の検討も進め、24年度の経費は200万円になる見通し。耐震工事完了後の27年度、3棟のうち1棟を市へ無償譲渡する予定でいる。(河野揚)

(2024年1月25日朝刊掲載)

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