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平和の思い 絵本で形に 天満小児童 デザイナーとコラボ

 天満小(広島市西区)の5年生47人が、平和の大切さを伝える手作りの絵本計7冊を完成させた。日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)広島地区が平和学習として企画。児童が絵と文を担当し、プロのデザイナーらがページのデザインや製本を手がけた。

 被爆を乗り越えて同小の校庭に今も立つプラタナスの物語や、ハトが「平和とはなんぞや」と子どもたちに問いかけるストーリーも。23日、完成した絵本が児童に贈られ、教室に歓声が上がった。核兵器なき世界を願い鶴を折る物語を考えた舛田嘉歩さん(10)は「戦争を経験した子どもたちに、平和の象徴である折り鶴を知ってもらいたい」と話した。

 作業開始は昨年6月。日本を代表するデザイナーたちが毎年担当する「ヒロシマ・アピールズ」ポスター(JAGDA広島地区と広島国際文化財団、ヒロシマ平和創造基金共催)の歴代作品を鑑賞して創作イメージを膨らませた。7班に分かれ6回の授業の中で絵やストーリーを練った。

 英訳付き。欧州での同ポスター展示に関わっているオーストリアのデザイン協会にも7冊を送った。広島地区幹事の川原芳夫さん(63)は「子どもたちは柔軟な発想で平和への思いを形にしてくれた。絵本を広めたい」と話した。(新山京子)

(2024年1月29日朝刊掲載)

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