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被爆80年へ53事業 広島市計画 概要判明 京橋復元工事や文化催し

 2025年の被爆80年に合わせた広島市の記念事業の概要が26日、分かった。京橋(中、南区)を戦前の姿に戻す復元工事や文化、スポーツ関連の催しなど53事業を計画しており、24年度から順次進める。関連費用を含む24年度の一般会計当初予算案は過去最大の6800億円規模となる見通し。(野平慧一、宮野史康)

 複数の関係者によると、80年事業では原爆犠牲者の慰霊と被爆者援護に加え、平和文化の振興を柱に設定。平和を実感できる文化芸術活動・スポーツ交流、平和学習の提供▽まちの姿を通した平和発信▽ヒロシマの国際的な認知度の向上―などのテーマで展開する。

 主な事業では、被爆橋の一つで、戦時中に金属製の欄干などが供出されて石造りの本体だけになった京橋を往時の姿に復元する。平和記念公園(中区)にある「原爆の子の像」のモデルとなった佐々木禎子さんの生涯を描いた米国発のミュージカルの広島公演や、広島、長崎両市の被爆遺構を巡る平和学習と観光を兼ねたツアーも企画する。

 被爆の記憶の継承に向けた人工知能(AI)の活用▽原爆資料館(中区)の入館チケットの予約・販売システムの導入▽西平和大橋(同)の歩道橋整備―なども被爆80年事業に位置付けている。引き続き、追加事業も検討するという。

 80年事業の一部を含む24年度一般会計当初予算案の総額は、過去最大だった21年度を上回る見込み。社会保障費や人件費などの上昇が影響したとみられる。

(2024年1月27日朝刊掲載)

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