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広島大本部跡地旧理学部1号館 保存・活用 設計着手へ 広島市 30年度利用開始目指す

 広島大本部跡地(広島市中区)にある被爆建物の旧理学部1号館の保存と活用で、市が2024年度に設計に着手する方針を固めたことが26日、分かった。「ヒロシマ平和研究教育機構」の拠点として、30年度の利用開始を目指す。

 複数の関係者によると、市は事業スケジュールなどを盛り込んだ基本計画案を近く公表し、24年度当初予算案に設計費を計上する。基本、詳細設計を経て、27年度にも着工する見通しという。

 1号館は1931年築。市の計画では、現在の鉄筋3階建てE字形の建物のうち正面棟中央の玄関から左右に延びる廊下までの前半分をI字形に残して耐震化するとともに、後ろ半分と残りの棟を取り壊した跡に3階建てを新築する。

 1階には情報発信やまちづくり活動のスペースを、2、3階に研究室や講義室を設ける。被爆建物としての歴史を後世に伝えるため、解体部分の外壁タイルを活用できる撤去方法も検討する。概算工事費は63億円。

 拠点を置くことになるヒロシマ平和研究教育機構は、市や広島大、広島市立大、広島平和文化センターで1月に設立。核兵器廃絶や平和教育などをテーマにした共同研究を進める。(川上裕)

(2024年1月27日朝刊掲載)

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