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大久野島灯台 キャラに グッズや催しで魅力PRへ 全国「擬人化」プロジェクト 県内で初

 竹原市忠海町の大久野島にある大久野島灯台を擬人化したキャラクターが誕生した。全国各地の灯台を擬人化して魅力を発信するプロジェクト「燈(あかり)の守り人」の一環で、東京の企画会社などでつくる製作委員会が手がけた。同灯台が47基目で、県内では初めて。(渡部公揮)

 キャラクターの名前は「大久野島灯台の守り人」。少年のような爽やかな風貌で、かつて灯台の設備の調整に使われていたルーペを持っている。同島を象徴するウサギの精霊を添え、かわいらしさを演出した。

 同プロジェクトは2020年に始まり、全国88基の灯台を擬人化する予定。各キャラクターは声優によるボイスドラマや電子漫画などに登場するほか、関係自治体や地元企業がグッズやイベントに活用できる。

 大久野島灯台は、高さ8・5メートルで1894(明治27)年に初点灯し、呉海上保安部が管理。同島には近年、数百匹のウサギがすみ、「ウサギ島」と呼ばれて観光客が集う。一方、終戦近くまで毒ガスが製造され、機密保持のため「地図から消された島」だった。製作委員会が、同灯台が見てきた光と影の歴史を伝えたいと選んだ。

 26日に製作委員会の阪口あき子プロデューサー(50)が市役所を訪れ、今栄敏彦市長にキャラクターをまちづくりに活用できる「贈呈書」を手渡した。今栄市長は「他の灯台のキャラと連携し、聖地巡礼のような形で地域を訪れてもらいたい」と期待した。

(2024年1月29日朝刊掲載)

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