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原爆ドーム前ガイドで表彰 三登さん シチズン・オブ・ザ・イヤー

 原爆ドーム(広島市中区)前でのボランティアガイドを17年にわたり続ける胎内被爆者、三登浩成さん(78)=広島県府中町=が「社会に感動を与えた市民」に贈られる「2023年 シチズン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。東京都内であった表彰式に出席し、活動への使命感を新たにした。

 三登さんは元高校英語教諭。60歳だった退職後の2006年、「最も若い被爆者として、核兵器がもたらす実態を伝えたい」と無料のガイドを始めた。自作の資料を8言語で用意してほぼ毎日ドーム前に立つ。180カ国・地域の約30万人と触れ合ってきたという。

 同賞はシチズン(市民)を社名に掲げるシチズン時計(東京)が1990年に創設。新聞記事で取り上げられた日本人か日本在住の外国人から3個人・団体を選んでいる。ウクライナやパレスチナ自治区ガザなどで戦火が絶えない今「原爆の語り部の人たちの意味はこれまで以上に大きい」として三登さんの地道な活動を評価した。

 三登さんは「各国が核抑止依存を強める中、一人でも多くの人にヒロシマの歴史を知ってもらえるよう頑張りたい」と話している。(小林可奈)

(2024年2月5日朝刊掲載)

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