×

ニュース

別の3地点も指針値超 PFAS 米軍川上弾薬庫周辺の井戸水 東広島市調査 82倍も「原因究明急ぐ」

 東広島市や広島市安芸区を流れる瀬野川水系の水から国の暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)を超える有機フッ素化合物(PFAS)が相次いで検出された問題で、東広島市は6日、井戸水を調査した市内の3地点で指針値を超えたと発表した。調査エリアは米軍川上弾薬庫(東広島市八本松町)の周辺。うち1地点では、指針値の82倍に当たる4100ナノグラムを検出した。(教蓮孝匡)

 1月12日以降に調べた同市八本松、志和地区の瀬野川と宗吉川沿いの58地点の井戸水のうち22地点の結果が判明。瀬野川沿いの2世帯と1事業所の3地点で4100、1600、80ナノグラムだった。

 市は指針値を超えた世帯に井戸水の飲用を控えるよう伝えた。これまでの河川水調査で指針値を超えた地点の周辺13世帯を含め当面、住民1人当たり1日約2リットルの飲料水を提供。市は「調査を続けて原因究明を急ぐ」とし、国を通じて米軍に情報提供を求める働きかけも強める。住民の健康調査は予定していない。

 PFASに関する国の専門家会議委員を務める京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)によると、PFASは自然界には存在しない化学物質で、はっ水加工や泡消火剤などに使われてきた。発がん性など人体への影響が国際的に指摘され、国内でも2010年以降は原則として新規製造はされていない。

 原田准教授は「人体への急性リスクはないとされるが、地元自治体は中長期的なリスクや調査の現状を丁寧に住民に伝えながら対策を進める必要がある」と話す。

(2024年2月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ