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ウクライナ語で音声ガイド 原爆資料館 避難の学生 翻訳協力

 原爆資料館(広島市中区)は16日、来館者に貸し出す携帯型の音声ガイドにウクライナ語を追加する。昨年5月のゼレンスキー大統領の広島訪問を機に、在日大使館から「戦後には多くの人が訪れる」と提案されて決めた。ロシアの侵攻から日本に逃れたウクライナ人学生たちが翻訳に協力している。

 音声ガイドは日本語や英語、中国語、ロシア語など14言語がすでにある。貸出料は1台400円で、原爆犠牲者の遺品など64点の常設展示の解説をイヤホンで聞ける。

 資料館によると、ゼレンスキー氏が招かれた昨年5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の閉幕後、ウクライナの駐日大使が書簡で、ウクライナ語を導入するなら全面協力すると申し出た。依頼を受け、翻訳は日本経済大(福岡県太宰府市)で学ぶウクライナ人学生12人と教員が担当。音声は同国出身のオペラ歌手デニス・ビシュニャさんが引き受けた。

 3年スビトラナ・レジコさん(20)は「被害者のために祈り、同じ凶悪な出来事を決して繰り返さないよう歴史から学んでほしい」。資料館学芸課は「ウクライナ人がウクライナ語でヒロシマを知る日が早く来てほしい」と願っている。(宮野史康)

(2024年2月9日朝刊掲載)

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