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「廣島物語」 東京で公演 21~25日 被爆2世の藤森さん脚本・演出 配信も

 原爆を題材にした演劇「廣島物語」の公演が21~25日、東京・渋谷区文化総合センター大和田である。脚本・演出の藤森一朗さんは、広島市東区出身の被爆2世。惨禍の記憶の風化に危機感を持ち、「舞台の発信力は小さいかもしれないが、何もやらないわけにはいかない」と話している。

 広島市内に暮らす一家を中心とした原爆投下の前後約20年にわたる物語で初演は2022年。家族との死別や、心身に深い傷を負っても懸命に生き抜く人々の姿を描いた。

 藤森さんは5歳まで広島で過ごしたが、両親や親戚から被爆体験を聞いたことはなかった。犠牲者遺族の証言記録などを調べる中で、初めて知る事実が多かったという。「爆心地の近くには誰がいたのか。多くの子どもが犠牲になったことを広く知ってほしい」

 ウクライナに侵攻したロシアによる核威嚇など、核兵器が使われるリスクが高まっている。「ヒロシマ・ナガサキを知らずに核兵器について議論できない」と強調。「広島など全国各地で公演し、若い世代が核の問題を考えるきっかけにしたい」と力を込めた。

 主演の一人であるサンタ朗は中川俊直元衆院議員。S席8800円(前売り8千円)、A席7300円(同6500円)。23日の公演はライブ配信する(4500円)。

 同公演ホームページhttp://www.airstudio.jp/index_2024hiroshimamonogatari.html(山本庸平)

(2024年2月16日朝刊掲載)

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