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被爆ガラス持ち去りか 広島 本川小平和資料館で展示

 本川小平和資料館(広島市中区)に展示されていた被爆資料1点がなくなったことが21日、分かった。原爆投下後に熱で溶けたとされるガラスの塊で、来場者が自由に触れた。市教委は何者かが持ち去った可能性があるとみて、広島中央署に相談している。

 市教委によると、なくなったガラスの塊は、こぶし大で緑色。同小児童が2004年に、やはり熱で溶けたとみられる二つの塊とともに校庭の地中から見つけた。資料館地下1階に3点を並べ、触れる状態で展示していたが、うち1点がなくなっているのに昨年11月にスタッフが気付いたという。

 被爆建物の旧校舎を改修した資料館は、原爆で犠牲になった児童の写真や被爆資料を展示。無料で入館できる。市教委は塊の残る2点をスタッフが見える1階に移した。館内への防犯カメラの設置も検討する。指導第一課は「来館者が増加傾向の中で残念。原爆の熱や爆風にさらされた大切な遺物を返してほしい」と訴えている。(川上裕)

(2024年2月22日朝刊掲載)

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