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平和願った いぬいさん 柳井で生誕100年記念行事

 太平洋戦争中、柳井市内の戦時保育園に勤めた児童文学作家いぬいとみこさん(1924~2002年)の生誕100年を記念した行事が24日、同市柳井のアクティブやないであった。約250人が訪れ、いぬいさんの足跡をたどった。

 主催した市民グループいぬいとみこの会の桑原真代表(72)が「いぬい文学の根底には戦時中の柳井での体験があり反戦、反核、平和の願いが流れている。大切にしたい」とあいさつ。柳井高等女学校(現柳井高)に付設され、いぬいさんが勤めた「ほまれ保育園」を舞台にした代表作「光の消えた日」の一節を会員が朗読し、写真を交えながら功績を紹介した。

 いぬいさんから創作のアドバイスを受けた経験がある児童文学作家でノートルダム清心女子大(岡山市)の村中李衣教授が「未来に託すものがたり」と題して講演。本の世界の感動を共有し合う「読みあい」のやり方を披露し、来場者と互いに音読して実践した。

 いぬいさんの教え子で「光の消えた日」に登場する岡部昌平さん(83)は「多くの人に来てもらいうれしい。いぬい先生の本のすばらしさを伝えたい」と喜んでいた。(山本祐司)

(2024年2月25日朝刊掲載)

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