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[ビキニ被災70年] 福竜丸の悲劇 繰り返すまい 東区で集会

 米国によるマーシャル諸島ビキニ環礁での水爆実験で静岡県焼津市のマグロ漁船第五福竜丸が被曝(ひばく)して来月で70年となるのを前に、県原水協は23日、広島市東区の区地域福祉センターで集会を開いた。会場とオンラインで参加した計66人が、核兵器廃絶への思いを一つにした。

 都立第五福竜丸展示館(東京)学芸員の安田和也さん(71)が講演した。米国が67回も核実験を繰り返したマーシャル諸島で、現地の住民が負った健康被害を説明。第五福竜丸の乗組員で被曝の半年後に亡くなった男性がのこした「原水爆の被害者は私を最後にしてほしい」との言葉を紹介した。

 核抑止論が勢いを増している現状を踏まえ、「核兵器の非人道性を受け止め、廃絶に向けて道を切り開く必要がある」と強調した。

 続いて参加者は、来年の被爆80年に向け、核兵器廃絶への取り組みの決意を記したアピールを採択した。県原水協は3月1日の「ビキニデー」を前にほぼ毎年集会を開いている。(山田祐)

(2024年2月24日朝刊掲載)

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