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新施設に被爆資料展示 広大本部跡地旧理学部1号館 広島市が基本計画案公表

 広島大本部跡地(広島市中区)にある被爆建物の旧理学部1号館を巡り、市は22日、一部保存と活用に向けた基本計画案を公表した。耐震化し、被爆資料を展示するなどして原爆の惨禍を伝える。

 計画案には、E字形の1号館の正面前半分をI字形に残して耐震化する一方、残りを取り壊して3階建てを新築する方針を明記。1階には情報発信や市民活動のスペースを設け、広島大が保存している血の付いたタイルなどの被爆資料の展示も検討する。

 市都市機能調整部は、この日の市議会建設委員会で計画案を説明し、「外壁はもちろん、中に入っても被爆の実態を感じられるように保存する」とした。

 市は市議会定例会で審議中の2024年度一般会計当初予算案に設計費など1900万円を盛り込んでいる。工事費は概算63億円で、27年度にも着工する見通し。30年度に開館後は、市や広島大、広島市立大、広島平和文化センターが設立した「ヒロシマ平和研究教育機構」が拠点を置き、核兵器廃絶などをテーマに共同研究を進める。(川上裕)

(2024年2月23日朝刊掲載)

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