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防衛省 岩国基地周辺住宅の防音工事助成 騒音区域全域対象へ調査

 防衛省は2024年度、米軍岩国基地(岩国市)周辺にある住宅の防音工事への助成を巡り、騒音区域の全域で天井や壁などの工事も対象とするための調査を始める。現行は、騒音レベルが比較的低いエリアでは防音サッシや空調の設置しか助成していない。騒音区域の見直しの一環。住宅に併設された店舗・事務所も助成対象に加える方向で検討する。

 国は現在、基地周辺の「うるささ指数(W値)」75以上の騒音区域のうち、75以上80未満の区域では住宅の居室の窓を防音サッシに変更し、エアコンなど空調を設置する費用を助成対象にしている。騒音区域の見直しに合わせて、現行はW値80以上の区域で対象としている天井や壁など建物自体の防音工事についても騒音区域の全域で助成するため、具体的な工法や効果を調査する。

 現行の騒音区域は1992年に指定され、岩国市の基地周辺や大竹市の阿多田島の計1600ヘクタール。同基地は2010年に滑走路が1キロ沖合に移り、18年に空母艦載機約60機の移転を受け入れた。国は騒音の環境が変化したとして区域を見直すための調査を22、23年度で実施している。

 岩国市は08年度から、防音工事の助成対象を住宅だけでなく店舗・事務所だけの建物にも広げるよう国に求めている。市は「要望の実現に向けて一歩進む」としている。(川村奈菜)

(2024年2月27日朝刊掲載)

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