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中国残留邦人の教室全面再開 国補助金追加支給受け広島市 新年度の経費確保は不透明

 国の補助金減額に伴い一部が休止した広島市の中国残留邦人たちの交流教室が、全面再開した。国側が「年度末に向け、予算に余裕が出てきた」として追加支給したため。市は年度が替わる4月以降も事業を続ける構えだが、国は今後の補助額を「未定」としており、継続は不透明だ。

 厚生労働省が昨年末、全国の自治体に補助金の追加協議を受け付けると連絡した。広島市は年度内に最低限必要な経費428万円を申請し、全額が認められた。市保険年金課は「残留邦人の方々が振り回された。きちんと補助を」と求める。

 交流教室は国の全額補助による「地域生活支援事業」の一環。市の委託先の「市中国帰国者の会」が日本語や文化、体操など13教室を開き、高齢の残留邦人たちの孤立を防ぐ場になっている。

 厚労省は昨年7月、2023年度の補助額を708万円と提示。市の申請額の約半分だったため、11月以降は講師料などが賄えず、同会が自主的に続ける5教室に減っていた。

 中国地方では東広島市が不足分117万円、岡山市も77万円を追加申請し、いずれも満額が認められた。(小畑浩)

(2024年2月27日朝刊掲載)

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