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[ビキニ被災70年] 核巡る課題 現地で若者議論 広島市大生参加 「太平洋の人々の懸念 関心を」

 米国が核実験を繰り返した中部太平洋マーシャル諸島を訪れた日本の若者たちが28日、首都マジュロで、核を巡る問題について現地や各国の若者たちと意見交換をした。広島市立大4年の新井夏子さん(21)は、東京電力福島第1原発からの処理水の海洋放出を取り上げた。(マジュロ発 下高充)

 新井さんは昨年8、9月に太平洋の北マリアナ諸島を訪ね、住民の生活や文化が海と密接に関わっているのを体感したと説明。同国など太平洋の国から処理水放出に懸念が示される中、「以前の自分もそうだったが、太平洋の人々の声は多くの日本の人に届いていないと思う」と指摘した。

 日本からは明星大、法政大(いずれも東京)の学生も参加。1954年に米国がマーシャル諸島ビキニ環礁でした核実験で被災したマグロ漁船の第五福竜丸が東京都内で展示されている様子などを紹介した。

 マーシャル諸島の学生は、核実験で移住を迫られた住民たちの悲しみを表した歌を披露。被曝(ひばく)の歴史を伝えたり、被災した住民から経験を聞き取ったりしていると発表した。米国、フィジーの若者もオンラインで加わった。

(2024年2月29日朝刊掲載)

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