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被服支廠保存 初の募金活動 広島の市民団体

 広島市南区にある最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」全4棟の保存を訴えてきた市民団体「旧被服支廠の保全を願う懇談会」が28日、中区の元安橋で初めて募金活動をした。集まった資金は広島県に全額寄付し、保存や利活用に役立ててもらう。

 多賀俊介副代表(74)たち5人が橋の歩道に酒だるを置き、「ヒロシマ募金」と書かれたボードを掲示。「しっかり残したい。ご協力よろしくお願いします」と通行人に呼びかけた。

 2千円を酒だるに入れた中区の森脇恵さん(75)は「祖母が被服支廠で被爆した。建物を有効活用してほしい」と願っていた。

 被服支廠全4棟は1月に国重要文化財に指定された。3棟を所有する県は保存を決め、国や市の財源も活用して耐震工事を実施する。残る1棟は国が耐震化する。懇談会は銀行口座でも募金を受け付け、4月ごろに県へ寄付する予定でいる。

(2024年2月29日朝刊掲載)

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