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民喜モチーフ 芸術作品を展示 広島

 被爆作家原民喜をモチーフに制作する米国在住のアーティスト、アリー・ツボタさん(31)の展示会が7日、広島市中区のイベントスペース「YO―HAKU」で始まる。民喜と交わした架空の往復書簡などからなるインスタレーションに、「国境や時空を超えて、民喜の声を聞いてほしい」との思いを込めた。

 安芸区にゆかりがある日系4世。米国で民喜作品と出合い、繊細な感性に引かれた。2022年に広島市を訪れ、ゆかりの地を巡り、遺品などを撮影。米国で民喜を題材にした作品を発表した。

 インスタレーションの題は「Dead Letter Room」。「愛する子どもたちを痛苦のなかに追放したことを悔やみ続けています」―。ツボタさんが想像した民喜の言葉と、それに対する返信を組み合わせた13点のほか、民喜の遺書や手紙の写真などで構成する。

 広島を拠点に活動している映像作家吉田真也さん(29)がツボタさんの活動を知り、展示を企画した。吉田さんは「新しい視点から歴史を見てほしい」と語る。11日まで。無料。(桑島美帆)

(2024年3月7日朝刊掲載)

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