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五百旗頭真さん死去 広島大から研究者の道 県内関係者が惜別 「気さくで温厚」

 日本政治外交史が専門で、政府の東日本大震災復興構想会議議長や防衛大学校長などを務めた神戸大名誉教授の五百旗頭真(いおきべ・まこと)さんが6日午後4時51分、急性大動脈解離のため神戸市の病院で死去した。80歳。兵庫県出身。葬儀は未定。

 五百旗頭真さんの訃報が届いた7日、広島県内の関係者から惜別の声が相次いだ。

 五百旗頭さんが研究者として歩み始めたのは広島大だった。1969~81年に法学部助教授などを務めた。広島経済大の寺本康俊教授(70)は大学院生時代に指導を受けた。「1次資料をつぶさに研究する姿勢と、全体を俯瞰(ふかん)するまなざしを併せ持っておられた」と振り返った。自らが広島大法学部長の頃、特別講義をしてもらったとし「仰ぎ見るような存在なのに、気さくで温厚だった」と惜しんだ。

 広島市立大広島平和研究所の吉川元特任教授(72)は神戸大で共に教壇に立ち、交流が続いていたという。「人を引きつける魅力があった。日本外交史の研究を長年引っ張られ、本当にお疲れさまでしたと言いたい」としのんだ。(田中美千子)

(2024年3月8日朝刊掲載)

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