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「混雑の緩和に効果」 広島市 原爆資料館の開館延長

 原爆資料館(広島市中区)で試行している朝夕各1時間の開館延長を巡り、市は13日、開始から10日間で全入館者のうち3・8%が予約して延長時間帯に訪れたと明らかにした。1日当たりの最大は279人で、混雑緩和へ「一定の効果があった」としている。

 市によると、1日から10日までに4万4089人が入館した。オンライン予約できる延長時間帯の午前7時半~8時半と午後6~7時に限れば1674人で、うち27%は外国人だったという。

 13日の市議会予算特別委員会で市が混雑対策の試行状況を報告した。券売機も夏ごろに導入し、窓口を現在の2人から1人に減らす構え。一方、過去最多を更新中の2023年度の入館者数は最終的に193万人に達する見込みで、24年度も春の大型連休やお盆の混雑解消は困難とみている。

 西田満・被爆体験継承担当課長は「24年度に入館者の動態調査を実施し、全開館時間を通じた事前予約制の導入も含め検討したい」と述べた。

 市はまた、原爆ドーム(中区)を国史跡から特別史跡へ格上げする手続きで、24年冬ごろに文化庁へ申請に必要な総括報告書を提出する意向を示した。夏ごろに案をまとめ、同庁と協議を進める。学術上の価値が特に高い特別史跡に指定されれば市内初となる。(野平慧一、川上裕)

(2024年3月14日朝刊掲載)

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