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つなぐ つながる 平和学習 国泰寺高 福島の高校と発表会

 受け身になりがちな平和学習を、自分たちの手で―。そんな思いから、国泰寺高(広島市中区)2年の小林芽衣さん(17)と長谷川遥さん(16)がオンラインで発信する平和学習を自ら企画した。13日、2年生235人がふたば未来学園高(福島県広野町)1年生58人とつながり、広島の原爆被害などについてグループごとに調べた結果を発表した。(新山京子)

 国泰寺高の生徒は30グループに分かれ、漫画「はだしのゲン」や戦後の報道統制などのテーマから一つを選択。「核実験」を取り上げたグループは「広島と長崎だけでなく、核実験により現在も苦しんでいる人が海外にいる」と説明した。

 意見交換の時間では、原爆被害と東日本大震災、東京電力福島第1原発事故を踏まえ、被災体験を当事者から聞き取って後世に語り継ぐ大切さを確かめ合った。

 小林さんは、中国新聞ジュニアライターとして被爆者取材を重ねている。長谷川さんは全国の高校生が社会問題などについて議論する交流サイト上で活動している。平和学習でも校外とつながろうと、2人は昨年末に企画書を起案。賛同した学校側が、かねて交流のあるふたば未来学園高に開催を打診した。発表テーマや時間配分も2人で決め、他の生徒たちは調査と発表用スライド作成などを行った。

 「国泰寺高の生徒は平和に関する問題への関心は高いと思った」と長谷川さん。小林さんは「学んで終わりではなく、発信する機会を増やしたい」と話した。

(2024年3月14日朝刊掲載)

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